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2021年09月30日

ぐるなび・東京工業大学「ぐるなび食の価値創成共同研究」
2016年の研究開始以来、初の特許を取得

「免疫鎮静作用を有する乳酸菌」特許取得のお知らせ

株式会社ぐるなび(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:杉原章郎 以下、ぐるなび)は、東京工業大学と「ぐるなび食の価値創成共同研究」として、日本の食文化を支える発酵をテーマとした共同研究を2016年に開始。この度、2021年8月10日に「免疫鎮静作用を有する乳酸菌」の特許を取得したことをお知らせいたします。「ぐるなび食の価値創成共同研究」として特許を取得するのは初となります。

【特許概要】

【発明の経緯】

他の乳酸菌との機能面での差別化や商品化用途の拡大を目的に、乳酸菌の健康への機能性に関する評価を実施。京都のしば漬から取得した乳酸菌株と同種の基準株で免疫調整機能を比較しました。マウス脾臓細胞を用い、免疫機能を亢進するインターロイキン-12および免疫機能を抑制するインターロイキン-10の産生量を評価したところ、乳酸菌基準株よりもしば漬から取得した乳酸菌株のほうが、より免疫鎮静機能が高い事を見出し、本発明に至りました。

【今後の展望】

現在も共同商品開発をする企業を募集しており、食品メーカーや飲食店と連携することで、本特許菌株である「免疫鎮静作用を有する乳酸菌」を活用した商品・メニュー開発など産業利用を推進し、食の新たな価値創成へつなげます。また、漬物から取得した乳酸菌が持つ、免疫鎮静作用以外の機能性についても研究を進めていきます。

ぐるなびは「食でつなぐ。人を満たす。」という存在意義(PURPOSE)や「日本の食文化を守り育てる」という創業からつなぐ想い(SPIRIT)のもと、事業を進めています。今後も、東京工業大学との共同研究により、日本の食文化を代表する発酵食の発酵過程や、発酵に関わる微生物を科学的に解析することで、日本の食文化の新たな価値を発見し、さらなるブランド価値向上を目指します。

【株式会社ぐるなび イノベーション事業部 澤田和典よりコメント】

ぐるなびが乳酸菌の特許を取得するのは意外に思われるかもしれませんが、乳酸菌をテーマとした研究を東京工業大学と共同で5年前から行っており、地域で大切に育てられてきた漬物は、地域独自の乳酸菌によって作られるという仮説のもと、研究を進めてきました。今回これまでの研究が実り、京都のしば漬から取得した乳酸菌の免疫鎮静作用について特許が認められました。ぐるなびと東京工業大学の共同研究で取得した有望な乳酸菌は他にもありますので、今後も私たちの乳酸菌にぜひご注目ください。

参考資料

■ぐるなび・東京工業大学「ぐるなび食の価値創成共同研究」概要
・目的:
 日本の食文化を支える微生物の研究による、食と地域のブランディングの実現。食に付随する多次元情報(微生物ゲノム、機能、栄養、文化的背景)を用いた新たな価値創造。

・研究体制:
 2016年6月~ 
 東京工業大学生命理工学院 山田研究室と共同で、「ぐるなび食の価値創成共同研究講座」を開設
 2019年6月~
 「ぐるなび食の価値創成 共同研究」として新体制で研究を継続

・今後の展開:
 研究成果を生かした商品開発等、企業との協業に取り組む

■研究概要と成果
①麹菌研究(2019年12月 論文発表)

・研究概要:
 1)主要種麹メーカーから入手した約100株の麹菌株からゲノムを抽出
 2)遺伝子の塩基配列を解読し、ゲノムの特徴を確認

・研究成果:
 麹ゲノムの大規模比較により、解析したゲノム情報と発酵特性の関連から、発酵特性を評価。(発酵産物の算出/抑制)

②乳酸菌研究(2016年6月~現在も継続)
・研究概要:
 1)全国8府県の発酵漬物から約200株の乳酸菌を分離抽出(秋田、山形、長野、愛知、奈良、京都、広島、福岡)
 2)遺伝子の塩基配列を解読し、ゲノムの特徴を確認

・研究成果:
 乳酸菌に地域特異的な遺伝子が存在する事が判明 ※地域性乳酸菌®として商標登録

■発表論文
・2019年12月 DNA Research「Evolution of Aspergillus oryzae before and after domestication inferred by large-scale comparative genomic analysis」
・2021年1月  Scientific Reports「The relationships between microbiota and the amino acids and organic acids in commercial vegetable pickle fermented in rice-bran beds」
・2021年4月  PeerJ 「The effects of vegetable pickling conditions on the dynamics of microbiota and metabolites」
・2021年10月 Fungal Genetics and Biology「Analysis of genomic characteristics and their influence on metabolism in Aspergillus uchuensis albino mutants using genome sequencing」

以上

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