社長メッセージ

中期経営計画2028について
あるべき姿へのモードチェンジ
日頃より当社を支えてくださるすべてのステークホルダーの皆さまに、心より厚く御礼申し上げます。
当社は、前・中期事業方針(2023年度~2025年度)のもと、全社一丸となって着実な売上拡大とコストコントロール力の向上に取り組んでまいりました。その結果、本方針に掲げる2年目での「黒字転換」、そしてそれに続く「増益」を果たすことができました。これはひとえに、皆さまの温かいご支援の賜物です。
未曾有の危機であったコロナ禍を経て、当社の収益体質はかつてないほど筋肉質なものへと鍛え上げられ、新たな成長ステージへと踏み出す準備が整いました。こうした成果を踏まえ、当社が次なる飛躍に向けて成し遂げるべきは、「確固たる売上拡大にもとづく持続的な利益の成長」です。そして、その実現への道は、顧客である飲食店が抱える課題の解決に他なりません。
現在、外食産業は深刻な人手不足や各種コストの高騰に直面しており、「店舗運営のすべてを人手で、自力で賄う」という従来のモデルを継続することが、極めて困難な時代を迎えています。
苦境に立つ飲食店の皆さまを前に、私たちぐるなびが進むべき道は明確です。それは、創業以来培ってきた強みである「伴走型の営業体制」を磨き上げ、飲食店に深く寄り添い、その経営を多面的に支える「B2B事業」へのさらなる集中です。これにより、飲食店の持続可能な経営モデル構築の一翼を担うと共に、中長期にわたる当社企業価値の向上を目指します。
中期経営計画2028 ~ 指数関数的成長への「始動」~
この方向性を具現化するため、当社は2026年度から2028年度までの3か年を対象とする「中期経営計画2028」を策定いたしました。
本計画では、『”真の”飲食店のサポーター』となることをビジョンに掲げ、”集客メディア”から”経営サポーター”への「提供価値の変革」、そして未来の指数関数的な成長を支える礎となる「飲食店ネットワークの拡大」を、全社方針に定めました。
そして、この方針のもと、当社ならではの強みを活かした「B2B領域へのプラットフォーム機能の拡充」をテーマに、以下の5つの事業戦略に全力で取り組みます。
- A. メディア・会員サービスの強化
- B. エージェント事業の確立
- C. 加盟価値の拡充
- D. 営業体制の強化・活動プロセスの改善
- E. AI時代に即したデータ基盤の構築・活用
この中でも、人手不足という課題に直接応える「B.エージェント事業の確立」と、収益力の向上に資する「C.加盟価値の拡充」、そして、それらの価値を強力に飲食店へ届ける原動力となる「D.営業体制の強化・活動プロセスの改善」、これら3つについて、ご紹介いたします。
ヒト・テクノロジー・データ、3つの力を融合した伴走型支援の真価
B. エージェント事業の確立 ~ 第2の収益の柱へ ~
「すべての業務を抱え込む」のではなく、「適切にアウトソーシングを活用する」。こうした新たな飲食店経営モデル構築を力強く後押しするのが、当社が注力するエージェント事業です。
本事業の中核をなす「 Google ビジネスプロフィール(GBP)」の活用支援などの運用代行系サービスは、飲食店のニーズを的確に捉え、当社売上の拡大を牽引する存在へと成長しております。この確かな手応えをもとに、本計画ではこれまでのマーケティング活動支援をさらに強化すると同時に、その展開領域を「経営資源」へと広げてまいります。
具体的には、新規集客支援にとどまらず、CRMツールの運用代行による飲食店の「ファンづくり」をバックアップいたします。さらに、その先にある「経営資源」領域への拡張にもすでに着手しており、厨房機器販売店「テンポスぐるなび」との連携による設備・食器などの調達支援に取り掛かりました。また、各種メディアやSNSなど多岐にわたる店舗情報の一元管理を支援するなど、「情報」分野の最適化においても貢献してまいります。
このエージェント事業においてこそ、ヒト・テクノロジー・データ、これら3つの力を融合した「伴走型支援」の真価を存分に発揮できると確信しております。
「加盟価値の拡充」×「営業体制の強化」で「飲食店ネットワークの拡大」へ
C. 加盟価値の拡充 ~ 選ばれる理由の多角化 ~
私たちの日常にすっかり定着したキャッシュレス決済ですが、その利便性の裏側で今、飲食店に思わぬジレンマをもたらしています。
当社の調査でも、外食におけるキャッシュレス決済比率はすでに50%を超えており、飲食店からは「会計業務の効率化」を喜ぶ声がある反面、「決済手数料の負担」や「入金までのタイムラグ」が切実なデメリットとして挙げられています。キャッシュレス化が進めば進むほど、飲食店の利益が圧迫され、資金繰りにまで悪影響を及ぼしてしまう状況なのです。
この環境下で飲食店が利益を確保するためには、こうした構造的なコスト増を抑制しつつ、「リピーター・ファン」を増やし、売上そのものを引き上げる必要があります。
そこで、楽天グループとの協業により、リピート促進を支援する「CRM機能」や、店舗の収益・キャッシュフローの改善に役立つ「決済機能」など、飲食店の新たなライフラインとなり得る価値提供に取り組んでまいります。
これにより、飲食店経営における売上・コスト両面の課題を同時に解決し、当社が “選ばれる理由の多角化”を図ることで、より幅広い飲食店のご加盟へとつなげます。また同時に、日々の店舗運営に役立つ機能提供を通じて、飲食店の皆さまとの絆を深めてまいります。
D. 営業体制の強化 ~ 当社事業の原動力の向上 ~
新たに拡充する価値をより多くの飲食店に届けるには、当社B2Bモデルの要であり、飲食店経営者に寄り添い伴走する「営業体制」の強化が不可欠です。そこで、本計画の初年度において約70名の営業スタッフを集中的に増員すると同時に、AI活用を通じた営業生産性の向上を推進してまいります。
まず、商談前の「準備」においてAIを導入し、「誰に・何を・どう提案するか」を明確化いたします。これにより、経験の有無を問わずすべての営業スタッフが、自信を持って商談に臨めるだけでなく、準備時間の最大80%削減を目指します。そして、そこで生み出される時間を、営業の本分であり、最も重要な仕事である「飲食店経営者との対話」へと振り向けてまいります。
次に、”人の力”が生きる「商談」では、トップセールスのノウハウをAIによって分析・共有し、組織全体の「成約率」を底上げします。
こうした一連のプロセス改革で、「商談件数」と「成約率」を同時に最大化し、高めた営業生産性を武器に、新たな加盟価値を強力に訴求することで、飲食店ネットワークの拡大ペースを加速させてまいります。
数値計画2028 ~ 従来の延長線とは異なる成長・2028年度での『復配』へ ~
本計画を推進することで、最終年度となる2028年度には、これまでの延長では到達し得ない成長曲線を描き出します。
まず、売上高につきましては、年平均成長率をオーガニックな推移で見込まれる5%から10%へと引き上げ、『189億円』を目指します。そして、営業利益につきましては、初年度は営業体制の増強などの集中的な戦略投資により一時的に赤字となる見込みです。しかしこれは、次なる飛躍を確実なものとするための「明確な意思をもった攻め」です。これを起爆剤とし、最終年度には『13億円』の利益創出を必ず実現してまいります。
あわせて、財務戦略の強化を通じ、「資本効率」と「財務の健全性」を高めることで、最終年度でのROE21%、ROIC16%の達成と、株主の皆さまへの『配当再開(復配)』を計画しております。
なお、これはゴールではありません。その先、2029年度以降の『指数関数的な成長』に向けた布石とし、次なるステージでの過去最高益の更新へとつなげていく所存です。
私たちぐるなびは、時代と共に変化する食に関する社会課題に真摯に向き合い、『”真の”飲食店のサポーター』への進化を図ってまいります。これにより、当社の根底にある「日本の食文化を守り育てる」という創業の想い、そして「食でつなぐ。人を満たす。」という存在意義(パーパス)を体現していく決意です。
今後も、株主・投資家の皆さま、またユーザー、飲食店、食関連事業者など、すべてのステークホルダーのご期待に応えるべく、全社一丸となり当社企業価値の向上に努めてまいります。
2026年7月 株式会社ぐるなび 代表取締役社長







