日本経済新聞 連載『あすへの話題』

2011年6月2日

日本のメニューは面白い

 絶品も名人技も、旬も限定も、噂も幻も、ご当地も珍味も、大盛りも......外食のメニューを取り上げるテレビのグルメ番組が花盛りだ。それらを見るたびに、日本のメニューの面白さを再確認させられる。
 わが国の飲食店数は70万店以上、メニューの人気ランキングを作ってみると見事なロングテールになる。この尻尾の長さが日本の外食文化の懐の深さだ。日本に世界一といわれる食文化があるのも、多様な飲食店が元気に営業しているからだと思う。
 日本での外食は海外からの観光客にも人気が高く、訪日の楽しみは食事がトップで、ショッピング、温泉などを引き離している。観光庁は年間の訪日外客数3000万人を目標に掲げるが、その達成のために外食は最重要コンテンツといえる。VISIT JAPAN大使に任命いただいて2年、震災で減った観光客をよび戻すために、海外へ日本の食の魅力と安全を積極的に紹介していきたい。
 3月、最悪のニュースはソーシャルメディア等を通じて世界を駆け巡った。今度はそのメディアが回復の様子も周知させてくれるだろう。いま、世界は日本の復興の進展に注目している。ならば復興の早さで驚かせたいものだ。そのミラクルもまた日本への新たな興味となり、再び多くの観光客をよぶことにもなると思う。
 さて、彼らが楽しみにする日本での食事だが、人気メニューは寿司、ラーメン、刺し身、うどん、天ぷらと続く。日本の各地にご当地ラーメンがあり、うどんはダシも麺も変わり、寿司や天ぷらには旬のタネが登場する。私たちをまるで飽きさせないのだ、その豊かさを知るほどに彼らが日本の熱烈なファンになることは容易に想像できる。